長年愛用しているギターなら避けては通れない
ポット(ポテンショメーター)の劣化

「ボリュームを回すとガリがする…」
「トーンの効きが急に悪くなった…」
接点復活剤でも直らなければ、
いよいよ交換の時期です。
どうせなら…
「良いパーツに交換しよう!」
…と、意気込んでパーツを買ったものの

「あれ?穴に入らない?」
「今までついてたノブがハマらない!」
国産ストラト系ギターのポット購入(交換)で
初心者によくあるミスが…
『ポットサイズの規格(ミリとインチ)間違い』
ピックガードを開けて「いざ交換!」という時に
絶望した方もいるのではないでしょうか。
今回は、”勉強代”…として諦められない方や
”CTS製に変更したい!”という方に向けて…
ストラト系ギターを例にしたミリからインチの
ポット交換について紹介します。
ストラト系ギターのポット規格

ポット交換は、250/500kΩ(最大抵抗値)や
A/Bカーブなどのテーパー(変化の仕方)など、
基本的な仕様に気が取られがちですよね。
しかし、国産ギターなどを使用する方や
ギターパーツの規格がよく分からない方は、
『サイズ・規格』もよく確認しましょう。
ミリ規格とインチ規格の違い

| 項目 | ミリ規格 | インチ規格 |
|---|---|---|
| 軸径(シャフト) | M8 (直径 8.0mm) | 3/8インチ (直径 9.5mm) |
| ノブ取り付け部の山数 | 18山 (荒い) | 24山 (細かい) |
| 主な搭載ギター | 国産ストラト系など | Fender USA, Gibson |
見ての通り、インチ規格の方が軸が太いため、
国産(ストラト系)ギターのピックガードの
ポット穴に入らない場合があります。
また、先端の山数(スプライン)も違うため、
今ついているノブを流用することもできません。
ミリ規格のポットを装備しているギターの中でも
インチ規格(ミリ併記)の場合もあります。
使用しているギターをよく確認しましょう。
【注意】インチ規格へのポット交換
インチ規格のポット交換を行う場合、
純正の装備品(ピックガードなど)に対して
不可逆的な加工が必要になります。
加工の失敗やリセールなどのデメリットを
理解した上で行いましょう。
「どうしてもインチ規格のポットを使いたい!」
…という方以外は、ミリ規格の商品を購入して
ポット交換することをおすすめします。
ギターのポット交換に必要な道具

通常のポット交換に必要な道具とあわせて、
インチ規格へのポット交換作業に必要な道具を
まとめました。
▷ インチ規格へのポット交換方法はこちら
ポット交換用の道具
まずは、ポット交換の基本セットを紹介します。
※ ストラト系ギターを想定しています。
交換用のポット
『ミリ規格』
『インチ規格』
※今回の交換に使用したポットはこちらです
はんだこてセット
ピンセット
配線材(予備)
ミニソケットレンチ

こちらの記事も参考にしてください
インチ規格への変更に必要な道具
今回のテーマである『インチ規格への変更』に
必要な道具を紹介します。
※ ストラト系ギターを想定しています。
リーマー(ピックガードの穴拡張用)
紙やすり(リーマー代用やバリの除去用)
高さ調整用のインチ規格ポットナット
インチ規格ノブ(ミリインチ兼用ノブ)
インチ規格のポットで統一する場合
ミリ・インチ規格のポットを兼用する場合
「弦の袋リメイク」始めませんか?
ミリからインチへのポット交換方法

今回は、2000年代初頭のFenderJapanの
ストラトギターを使用して、ミリ規格の
Volポットをインチ規格のポットに変更します。
使用する新しいインチ規格のポットは、
Fender純正(CTS)を用意しました。

まずは、『ノブ』を”ピック”で外す

まずは…
既存のノブを外さなければなりませんが、
ペンチなどで無理やり外すとノブが割れたり
傷がついてしまいます。
そんな時は、「ピック2枚」を隙間に差し込み
テコのように動かすと楽に取り外せます。

ドライバーで『ピックガード』を外す

ピックガードを外すために、必要最低限のビスを
丁寧に外していきましょう。
『配線』をチェック(撮影)

今回は、この純正のミリ規格のVolポットを
インチ規格のCTSポットに交換します。
配線が分からなくならないように
スマホで撮影もしておきましょう。
『ポットを外す』(はんだ・ナット)

現状の配線を写真に残したら、はんだを取り除き
ポットを固定しているナットを外しましょう。
使用しているベストツールのソケットレンチは、
操作性や見た目も気に入って愛用しています。
インチナットにも使用することは可能ですが、
ミリ規格専用の仮締めを目的とした商品です。
興味がある方は、製品の仕様や注意事項を
よく確認してください。
ピックガードの『ポット穴』を確認

「インチ規格のポットが穴に入らない」
…のは当然ですよね。
ミリ規格のポットに合わせて作られた
国産ストラト系などのピックガードの穴には、
インチ規格のポットは装着できません。
初心者の方など…
ここまできて初めて気づいてしまった方も
いるのではないでしょうか。
インチ規格のポットを装着したい方は、
ピックガードの穴を拡張する必要があります。
ピックガードの穴を『拡張』

古いミリ規格のポット(約8mm)の穴を
新しいインチ規格のポット(約9.5mm)に
拡張する必要があります。
ここからは不可逆的な加工となるので
自己責任で行ってください
【推奨】テーパーリーマーを使う
最も安全かつ綺麗に仕上がるのは
『リーマー』という工具を使います。
穴に差し込んで回すだけで、真円を保ったまま
穴を広げることができます。
【代用】棒やすり(紙やすり+棒)
サイズ間違いで失敗したのに
新たな道具を買うのもなぁ…
…という方は、家にある道具で代用する
DIYテクニックもあります。
棒やすりや紙やすり(耐水ペーパー)で
代用する方法です。
今回は、リーマの代わりに…
『紙やすりとドライバー』で代用してみました。
ドライバーなどの軸に、紙やすりを装着
(両面テープ + 粒度#400程度)

穴に差し込み、少しずつ拡張

少し削ってはポットを当てて確認

約1.5mmの拡張なので、比較的簡単に
広げることができました。
しかし、ピックガード割れのリスクなど、
仕上がりの美しさや効率性のためにも
リーマーの使用をおすすめします。
インチ規格の『ポットを装着』

無事に穴の拡張を終えたら、
いよいよポットを装着します。
今回のようにVolポットだけの交換時には、
TONE用ポットとの高さも確認しましょう。
高さ調整(一部のポット変更の場合)

高さ調整(確認)のために
TONEのノブも1つ外しましょう
高さ調整のために裏側にナットが
必要な場合があります。
通常、ポットに1つ同梱されていますが、
予備や調整用にインチサイズのナットを
用意しておくと便利です。
ミリ/インチ兼用ノブ
ボリュームポットだけのインチ交換の場合、
ミリ規格のトーンポットとサイズが
混在することになります。
そんな時は、「ミリ/インチ兼用ノブ」で
3つとも変更する方法がおすすめです。

『はんだ付け』(配線処理)

配線が完了したら、ピックガードを仮止めして
アンプに繋げてみましょう。
ピックアップをピックなどで軽くノックして
音量調整やノイズの具合をチェックします。
ミリからインチへの『ポット交換完了』

ピックガードを閉じて、新しい弦を張ったら
インチ規格へのポット交換は終了です。
おつかれさまでした。
ギターいじりの余韻に浸りながら…
じっくりと新しいポットの評価を
楽しんでくださいね。
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